<この記事の対象者>
- 部下をモチベートアップさせたい。褒めたりしているのだが、どうも効果が感じられない。
- 人間関係が上手くいかない。でも、環境を変えることができないのでなんとかしたい。
<この記事の内容>
- 1. 間接的に褒めるのが一番効く。
- 2. 注意 やってはいけないシリーズ
- 3. 番外編 土台作りのコツ
相手を褒めるという行為は良好な人間関係を作るうえで、最良な手法の一つです。
ただし、その効果を最大化するにはちょっとしたコツが必要です。
でもその方法はいたってシンプル。
結論から言いますと、直接褒めるのをやめましょう。間接的に褒めて、その事が相手に伝わるようにしましょう。
<具体例 (会社にてあなた(課長)と部下(A君)>
- あなた :A君てさあ、飲み会のアレンジとっても上手だよね。おしゃれで美味しいお店をたくさん知ってて、羨ましいよ。やっぱり、経験値が違うね。
- A君 :はあ。。それはどうもありがとうございます。(飲み会のアレンジ? なんでよくわかんないとこで褒めてくるんだろ。なんか、また面倒臭い事頼まれんじゃ無いだろうな。 関わらないで置こう。)
それが、間接的だとこうなります。
- あなた :あ、B君。この前のお店とってもよかったよね。幹事のA君は、良いお店たくさん知ってるし、気配りもできるから彼がアレンジしてくれると飲み会が盛り上がるよ。
- B君 :そうですね、楽しくてつい飲みすぎちゃいました。またみんなで行きたいですね。
- B君 :この前、課長が君の事すごい褒めてたよ。気配りができるから、君がアレンジする飲み会はとっても楽しいって。
- A君 :いやいや、そんな大した事ないよ。(まじか。課長、そんな風に思ってくれてたんだ。なんか嬉しいな。今度の懇親会も俺やろっかな。)
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上記の例は若干大袈裟なところがあったかもしれません。
でも、実際にみなさんも、直接褒められるより、間接的に褒められた方が嬉しい思いをしたことはありませんか
これを専門用語でウィンザー効果と言います。
直接よりも間接の方が効果がある理由は主に下記かなと思います。
- 褒められた瞬間の反動をぶつける相手がいない
- 自己防衛反応をとる必要が無い
相手に褒められた瞬間、素直に喜べば良いのですが、必ずしもそうではありません。
その時の心理状態でたまたま相手の言動に素直に喜べず「私のなにを知ってるんですか」とか、「それって嫌味ですか」と思ってしまったり、社会の波に揉まれるうちに、「今の言動には何か裏があるのでは無いか」と自然と考えるようになってしまったり。
でも、それを間接的にするだけで、そういったマイナスの反応をぶつける相手が目の前にいませんし、誰かに見返りを求められる訳では無いので、自己防衛反応が無くなります。
だから、間接の方がすっと心に響きやすいんです。
みなさんも、明日から、本人ではなく、本人と普段から関わりのある人を選んで間接的に褒めまくりましょう。
とはいえ、いくつか注意しなければいけない事があります。
- 間接的に褒めた後に、「って、本人にいっておいて」
⇨これは全てをぶち壊します。むしろ、狙いがバレバレで直接褒めた時の効果は愚かマイナスになります。 - 根拠の無い褒め言葉
⇨間接的に褒めまくりましょう。と書いておきながらなんですが、根拠の無い褒め方をするとただの「調子の良い人」になってしまいます。
相手が第三者であったとしても、なぜそう感じたのかをきちんと伝えるのがポイントだと思います。 - 土台作りを全くしない
⇨普段ほとんど接した事が無い人がウィンザー効果を狙っても「え、なんか嘘くさ。喋った事も無いのになんでわかるのさ」ってなりますよね。
だから、ウィンザー効果を最大化するには、事前準備が欠かせません。普段から、「あなたのことを気にかけてますよ」という事が伝わるよう土台作りをしましょう。
ウィンザー効果に限らず、普段からこの土台の部分がなければ、相手に自分の思いを届けることは難しいです。
さて、この記事で伝えたいことは既に書いたのですがここからは番外編です。
土台作りが大事と書きましたが、じゃあ、どうすれば効率的にできるかについて書きたいと思います。
いくつか方法はありますが、大事なことを2つだけ書いておきます
- とにかく聞き手に回る。
- ちょっと昔のことを引き合いに出す。
ベタですみませんが、やっぱりこれが一番大事です。
それには二つの目的があります。
- 相手の情報を引き出す。
- 自分が味方で意思を示す。
これは、次の項目に繋がることですが、相手がどんなことに喜怒哀楽の反応を示すのかについて情報収集が必要です。
更には、「相手の話を聞いて頷く」といった、たったこれだけの事で、「私はあなたの敵では無い」という意思表示を送る事ができます。
相手との関係に土台ができる最大の瞬間は、「記憶の共有と共感」です。
例えば、悩みを持っている人に対して、その場で一撃必殺のアドバイスを与える事が信頼を得る近道だと思い、自分の意見を喋りまくろうとする人がいます。
でも、それでは土台はつくられません。
その場では、とにかく聞き役に回ります(これは、3.1で書いた事ですね)。
少し時間をおいて「そういえば、あの件てどうなったの?続きを聞かせてよ。」と話を切り出せばOK。あとは、黙ってても相手が喋ってくれます。
ここで起こることは、’悩みについて会話した’、という「ちょっと前の記憶」を引き合いに出して、相手と「共有」し、’悩んでいる’という感情を「共感」しているのです。
今回は悩みというネガティブなケースを例にしましたが、喜怒哀楽のどれをとってもこれは当てはまります。
話をきく ⇨ 情報収集する ⇨ ちょっと昔の記憶として引き合いにだす。 ⇨ 共有・共感する
このスパイラルを生み出す事がポイントです。
今日は、このへんで。